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「労働時間規制(その2)」 VOL318

 皆様は、2月24日の「プレミアムフライデー」を、どのように過ごされましたか。
新しいビールの名前?位にしか浸透していないかもしれませんが、大要、政府と経団連が共同して提唱している、毎月末金曜日(フライデー)は午後3時に帰宅しよう、という取組みのことです。普段より早帰りすることで、生活の豊かさや幸福を感じられる(プレミアム感)体験ないし時間の創出を促すとか。
 この取組みによって、個人消費が喚起され、景気回復に寄与すると共に、個人の働き方改革に繋げる狙いもあるそうです。昨年12月には、官民連携の「プレミアムフライデー推進協議会」が設立され、来月以降も毎月末金曜日に実施されます。
 労働時間の短縮にとって大変結構な企画だと思いますが、どうせやるなら「毎月末」より「毎週」金曜日位にしていたらより即効性があったように思います。また、ウエブサイトを見る限り、協議会にはプレミアム感を享受する個人側の委員がいないようです。経済産業省が推進役なので、委員の選考が企業中心になるのは仕方がないとしても、働き方改革まで繋げるなら、供給側だけでなく、受給側の意見も聞く必要があると思った次第です。
 安部内閣が推進する「一億総活躍社会」を実現するため、国民の働き方に焦点が当てられ、首相官邸に「働き方改革実現会議」が設置されています。特に、電通過労死事件を契機として、労働時間の上限について議論されているようです。
 前回ご説明した通り、労働時間は1日8時間、1週間40時間が原則です(労基法32条)。36協定により、この上限を超えることは可能ですが、強制力はないものの、36協定にも月45時間、年360時間という上限があります(厚生労働大臣告示)。
 しかし、この上限が適用されない業種(新技術、新商品開発等の研究開発業務、建設事業、自動車運転業務)があり、また、特別条項を設けることで、臨時的ながらも上限なく時間外労働を課すことが可能となっています。
 現在、わが国において、労働時間の上限として事実上機能しているのは、労災認定基準です。労災認定基準では、“症前の連続する2カ月〜6か月の時間外労働が概ね80時間超、又は、発症前1カ月の時間外労働が概ね100時間超と規定されています。
 実現会議は、労災認定基準をクリアーすることを議論の出発点とした上で、労基法改正の方向性として、仝什澹生労働大臣告示で定められている36協定の上限を労基法で定めること、⇔彁的な特別の場合を想定して労使協定を締結する場合としても年720時間(1カ月平均60時間)の上限を明示すること、G720時間の上限の範囲内で、一時的に事務量が増加する場合の上限を設けること等を掲げています。今後の実現会議での議論の行方を注視したいと思います。以上

(2017.03)

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