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『大阪万博』

 拙宅の紅紫と白の百日紅(サルスベリ)が双方満開となり、毎朝、玄関先で落花の掃き掃除に追われています。猛暑のせいか、花がとても乾燥していて、例年よりも集めやすくなっています。
 さて、お盆休みに自宅で万博関連のニュースを見ていて気になったのが、海外参加国のパビリオンの工事代金未払い問題でした。
 報道によると、複数の海外参加国のパビリオン建設で、下請企業に対する工事代金の未払いが発生しているようです。下請企業は基本的に国内の中小会社ですから、連鎖倒産など、地元経済に与える影響も無視できません。万博閉幕後は解体工事も必要になりますから、この問題がさらに拡大するおそれがあります。
 もっとも、未払いの原因は様々で、参加国や海外元請企業からの送金停止という国際問題もあれば、国内下請企業の間で代金未払いが生じるという国内問題もあります。
 国際問題における参加国や海外元請企業の言い分としては、下請企業は発注価格内で工事を完成させるべきで、工事費用の上振れ分は負担できない、工事が発注した内容に達していないから、工事費用の一部は支払えない、工事の完成が遅れれば、工事費用の支払いが遅れることも仕方がないなどかと考えられます。
 確かに、わが国の公共工事では予定価格に上限拘束性があり、これを超える工事費用請求はできません。しかし、海外の公共事業の予定価格には上限拘束性は無い方が普通のようです。
 また、上限拘束性のある発注価格を算定するためには、適正な仕様書・見積書の準備や、見積期間の確保が必要です。しかし、受注企業がなかなか決まらなかった海外パビリオンなどでは、工事開始が遅れた結果、見積書や仕様書どころか設計図面すら工期に間に合わず、修正工事や追加工事が続出していたようです。当初の発注価格に合理性があったのか疑問ですし、誰が修正工事や追加工事の費用を負担するべきなのかも曖昧と言わざるを得ません。
 少なくとも、わが国の民間の建設契約では、工事代金の上限を設定する指値発注は許されません。特に、近年の資材高騰や人手不足を踏まえると、国内工事の場合、発注者や元請企業が費用の上振れ分を負担する方が普通かもしれません。
 参加国や海外元請企業と国内下請企業の間に請負契約の解釈に相違があり、その結果として下請企業に対する工事費用の未払いが生じているとすれば、わが国の裁判所に訴訟提起することも考えられます。実際に訴訟提起された事案もあるようですが、仮に下請企業が裁判で勝訴しても、国内にさしたる資産を持たない参加国や海外元請企業から工事費用を回収することは難しいと言わざるを得ません。多くの大手ゼネコンが受注を見送ったのは、このような事態を懸念したからなのかもしれません。約55年前の前回の大阪万博のパビリオン建設はどうだったのでしょうか。以上
 

(2025.09)

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