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『2026年の課題』

 2026(令和8)年を迎え、皆様のご健康とご多幸を祈念致します。
 昨年、わが国は、アメリカの関税政策や中国の強硬対応といった外患、さらには、東日本を中心とした熊の出没という内憂にも悩まされました。他国や動物に起因するものとはいえ、我々に全く関係がないとも言い切れません。
 長年、アメリカはわが国との貿易赤字に悩んできましたし、中国も台湾問題を核心的利益という独特の言葉で表現していました。熊問題は昨年の記録的な餌不足を漫然と放置した結果です。
 いずれの問題も年を越しましたが、外患に対しては、法の支配の観点から、必要な法律を整備した上で適切に対応し、内憂に関しては、例外のない原則はないという法格言を参考に、わが国から熊が絶滅する前に、緊急避難的な保護管理策を講じるべきだと私は思います。
 さて、私が所属している司法分野では今年5月までに施行される改正民訴法・民訴規則により、民事訴訟手続が全面的にデジタル化される点が注目されます。
 現在、最高裁を除くすべての裁判所に「民事裁判書類電子提出システム」(mints)が既に導入されています。現行法下では、当事者双方に代理人がつき、かつ、訴訟提起後に双方代理人の希望が一致する場合に、代理人らが事件の係属裁判所にmintsのアカウント登録をすることで、通常はファックスや郵送等で行われている準備書面、証拠説明書、書証の写し等の提出にmintsを利用できることになっています。
 改正法の下で全面的なデジタル化になりますと、訴訟当事者全員がmintsのアカウント登録ができ、また、訴状や控訴状等の申立書類も含めて、あらゆる民事裁判書類をmintsで提出することが可能になります。
 ただし、私共弁護士の場合はmintsの利用が義務化されます。もはや面倒とか不慣れとかいう理由でIT類を避けてきた弁護士の我儘は許されなくなるのです(トホホ)。
 なお、申立時に必要となる訴訟費用等の納付方法もデジタル化され、ペイジーという電子納付システムを利用することになります。
 mintsのメリットは、24時間365日、あらゆる民事裁判書類の提出が可能になるということです。秘書や事務職員も独自にアカウント登録できるので(1弁護士につき5名まで)、従前どおり、民事裁判書類の提出作業をすることができます。
 裁判所は、弁護士がmintsの操作に習熟できるように、現行法下でのmints利用を勧めていたそうですが一部の弁護士を除き、あまり利用されてはいなかったようです。そのため、私を含めた多くの弁護士にとって、今年がmints操作のぶっつけ本番になります。どうなることかといささか不安ですが、民事裁判手続の進化(?)が楽しみでもあります。
 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。以上
 

(2026.01)

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