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『民事裁判のデジタル化(3)』

 東京の5月は夏日が続き、庭木への水やりが欠かせません。ふと見ると、拙宅のレモンの木の葉に虫が取りついてしまい、駆除するのが大変です。ご近所のレモンの木の葉も同じ様子なので、どこのお宅でも来年の収穫数に影響するかもしれません。
 さて、民事訴訟手続の全面的なデジタル化が5月21日から施行されました。デジタル化の施行後は、訴状や控訴状等も含めて全ての民事裁判用の書面がオンラインにより提出可能となります。
 ただし、ここで民事裁判とは民事訴訟を意味し、民事調停、民事保全、家事調停、人事訴訟等は含みません。これらの事件では、当面、従前どおり紙ベースで業務が行われます。
 つまり、デジタル化といっても、しばらくの間は紙ベースの手続とオンラインの手続が併存することになります。
 弊事務所では5月21日以降に新たに提訴した民事訴訟はまだありません。ただ、仮処分は1件申し立てましたのでその事件が民事訴訟へ進んでいけば、必然的に「民事裁判書類電子提出システムmints」(ミンツ)改修版を利用して、訴状をオンラインで提出することになります。弁護士はオンライン提出が義務化されているからです。
 ミンツを利用する際は、ミンツのウエブサイトにアクセスして、アカウント番号を打ち込んでサインインし(既にほとんどの弁護士がアカウント番号を取得しています。本人訴訟で初めてミンツを利用する場合は、原告本人がアカウント登録することになります。)、二段階認証を経て、ミンツの新規申立フォーム画面に到達します。
 当該画面の「新規作成」をクリックし、まずは「当事者・代理人情報」タブから当事者と代理人の情報を入力します。次に「申立内容」タブから申立の内容を入力し、「添付書類」タブから必要書類のファイルをアップロードして「提出」ボタンを押せば訴え提起は完了です。
 案外簡単そうですが、実際にミンツの新規申立フォーム画面の前に座ると、間違いは許されないと意識するためでしょうか、いささか緊張します。
 従前の訴状には訴額、事件名、当事者等を記載していました。しかし、ミンツ経由の提訴では、これらの記載は必要なくなります。当事者や代理人の住所氏名は入力し、事件番号は訴え提起後に裁判所の担当部から原告代理人宛てにメールで通知されます。訴訟費用は提訴後にペイジーにより電子納付します。
 また、従前は訴状と一緒に提出していた証拠も、担当部からのメール通知後から提出可能となります。
 ただし、被告への訴状の送達については、受任する被告代理人が判っていれば当該代理人にシステム送達(ミンツ経由の送達とメール通知)されますが、そうでなければ、従前どおり紙ベースの訴状が被告本人に郵便送達されます。被告のメールアドレス宛に送信された訴状が迷惑メールに分類されて気付かれなかったといった事態は避けられています。以上
 

(2026.06)

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