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『2025年の課題』
2025(令和7)年を迎え、皆様のご健康とご多幸を祈念致します。
昨年は元旦に能登半島地震が発生し、特殊な地形や大雨の影響もあり、いまだに復旧作業が続いています。多くの被災者が、体育館等の公共施設で、段ボールで簡易な仕切り壁を作っただけの避難所に寝泊りしている姿を見ると、胸が打たれました。
このような大規模災害では、被災者の救出、避難所の設置、生活必需品の提供被災した半壊以上の住宅の修理費用の補償(国が5~9割、残りを都道府県が負担する制度)などを定める災害救助法が適用されます。同法の下で、内閣府、国土交通省、都道府県の防災担当課等の行政機関が緊急対応することになります。
しかし、昨年台湾で起きた大地震の際の現地行政機関の対応の早さや手厚さと比較すると、わが国における避難所の設置や運営方法は、東日本大震災当時と基本的に変わっておらず、発想自体が遅れていると言わざるを得ません。わが国の行政機関でも、AIを導入するなり、民間団体のサポートを受けるなりして、もっと効率的で温かみのある避難所運営を実地するべきです。
今年も大規模災害はいつどこで発生するかわかりません。誰もが被災者になる可能性があるのですから、速やかな体制整備が求められると思います。
次に、私が所属している司法分野では共同親権が導入されたことから家事事件の増加と複雑困難化が予想されます。
最高裁判所はIT化を進めたり、非常勤裁判官(週に1日だけ調停官の仕事を引き受ける弁護士)を増員したりして対応しようとしています。しかし、裁判所では特に若手裁判官(判事補)の不足が深刻化しています。司法修習生や弁護士は、裁判官よりも、収入や職場環境が優れている大規模法律事務所で働く方に魅力を感じているのです。
職業としての裁判官の魅力を高めるためには、裁判官のワークライフバランスに配慮した方がよさそうです。少なくとも3年に1度の転勤システムは見直す必要があると思います。
最後は、少し大きな話題ですが、新年早々アメリカではトランプ大統領が復活します。バイデン政権下ではアメリカを中心として西ヨーロッパ諸国や日本などが協力して権威主義国家と対峙してきました。ところが、トランプ政権下では、 そのアメリカ自身が国力を背景として他国を圧迫する可能性があると言われています。
報道によると、他国への関税を一方的に引き上げる、パリ協定から再び脱退して大規模油田開発を進める、国際協力関係を大幅に見直して日本に対しては防衛費や思いやり予算の増額を求める、などという事態が予想されています。
どの予想があたるのかはまだ分かりませんが、いずれの問題も危うい要素を含んでいます。特に日本が位置する東アジアの平和と安定にとってリスクが高いと言わざるを得ません。この地域で発生する戦争や紛争は、大規模災害以上の災厄です。
わが国は憲法上戦争や紛争に巻き込まれることを想定していないのですが、この事態への対応について皆様はどのようにお考えでしょうか。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。以上
(2025.01)
